学術集会長挨拶

 このたび、第36回日本がん看護学会学術集会長を務めさせていただくこととなりました。会員、関係者の皆様のご支援とご協力のもと、開催できることを心より感謝申し上げます。今回は、現地開催とオンラインを併用したハイブリット開催で鋭意準備を進めております。 今回の学術集会のテーマは、「パラダイムシフトへの挑戦~がん看護をそうぞう(創造・想像)する~」といたしました。
 我が国は、少子高齢化の急速な発展、テクノロジーの飛躍的な発達の中、医療においては、研究・技術・治療薬などの開発により診断・治療の高度化・個別化が進んでいます。また、世界中を襲った新型コロナウイルス感染症は、我々の行動様式をはじめ、教育の在り方、情報流通、経済活動、サービス提供体制等に様々な影響を及ぼしています。まさに今、我々はパラダイムシフトの渦中にあると言えます。
 このような変化に対して、我々看護師は、パラダイムシフトを肯定的に捉え、これらの変化に果敢に挑み、看護を提供する技術や方法について、自らすすんで発想力豊かに、がん看護をそうぞう(創造・想像)していくことが必要となっています。一方で、変化の中にあっても、「人々の生命の尊厳を守る」という責務を果たすために、倫理的思考をもとに、目の前の患者・家族に思いを巡らせつつ、生活を推し量り、最適な看護を追求し行動する「がん看護の本質」は変わりません。
 第36回学術集会では、パラダイムシフトに翻弄されつつも、この変化をチャンスと捉え、ぶれることのない「がん看護の本質」を堅持しつつ、新たながん看護をそうぞう(創造・想像)する機会にしたいと考えております。
 ポスターは、がんサバイバーの方のデザインで、今回のテーマが反映されています。
 有意義な会になりますよう多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

第36回日本がん看護学会学術集会
学術集会長 栗原 美穂
国立がん研究センター東病院 看護部長